02月04日【日本動画協会のニュース】
2011年1月26日に六本木ヒルズスカイスタジオにて、シンポジウム「科学的手法によるアニメ人材育成変革の可能性」を開催いたしました。
現在、日本動画協会では、経済産業省が推進する文化産業の海外進出促進や、人材育成等の政府横断的施策「クールジャパン戦略」の一環として、東京大学やアニメ制作会社の協力の下、アニメ制作現場の科学的調査に取り組んでいます。
今回のシンポジウムは、現在実施中である科学的手法による調査方法を具体的に解説し、それらの調査によって見えてくるものとはいったい何か。そして現在求められている人材と、それを育成するにはどうすればよいのかを議論する場として設けました。
アニメ業界や学校関係者を始めとする多数の来場者が見守る中、
経済産業省商務情報政策局文化情報関連産業課 高柳大輔課長補佐と、日本動画協会理事長である布川郁司の挨拶によってシンポジウムは開幕。そして株式会社シンク代表取締役社長である森祐治氏により、本事業の趣旨が説明されました。
続いて、早稲田大学高等研究所の七丈直弘准教授による、アニメ制作における科学的分析の中間報告を発表。アニメ産業の課題である、人材の枯渇、ワークフローの複雑化等が浮き彫りとなりました。今後の調査で得られた情報が、それらを解決する方策を示唆できるか否かに期待が集まります。
そして最後に、先程発表を終えた森祐治氏と、七丈直弘氏、株式会社フロントメディア取締役の増田弘道氏、日本工学院クリエイターズカレッジ長を務める佐藤充氏による、パネルディスカッションが行われました。
多くの企業が新人研修制度を設けて育成には取り組んでいるものの、業界を横断した人材育成カリキュラムが存在するとは限らないという現状。現場スタッフの人材育成はもちろん、教員自体の再教育が必要ではないかという議論がなされ、シンポジウムは幕を閉じました。
次回のシンポジウムは、2011年3月4日(金)に東京大学本郷キャンパスでの開催を予定しています。アニメ制作の工程分析結果を総括するとともに、今後のアニメ産業の展望について議論したいと考えます。